小さな注文住宅に込めた夢
10年前、家族で小さな注文住宅を建てた。
日当たりがよくて、窓から入る光がやわらかくて、そこにいるだけで気持ちがふっと温かくなる家だった。
「ここから私たちの未来が始まるんだ」
そんなふうに胸いっぱいの希望を抱いていた。
家族と笑い合う日々、子どもの成長を見守る時間、幸せで満たされた毎日…。
あの頃は、それを心から信じていた。
10年の間に積み重なった辛さ
でも、現実は思い描いていた未来とはまったく違った。
10年間にあった楽しいことはほんの少しで、苦しい出来事のほうが圧倒的に多かった。
- 離婚
- 子どもの不登校
- 子どもの犯罪
- 家を出た子どもとの縁切り
- 親兄弟との絶縁
悩んで、苦しんで、心が押しつぶされそうな日々。
家は「幸せの象徴」ではなく、つらい記憶を呼び起こす場所になってしまっていた。
今日、家を手放した
だから今日、私はこの家を手放すことを決めた。
建てたときには夢そのものだった家を売却して、手元に残ったのはほんのわずかなお金。
でも、そのわずかなお金が私たちにとっては大きな意味を持っている。
長く続いたしんどい連鎖に区切りをつけて、子どもが背負った借金も整理して、ようやく“過去”からきれいに離れることができた。
近所で別々に暮らす新しい生活
今、私は上の子と近所で別々に暮らしている。
同じ家には住んでいないけれど、それぞれが安心できる環境を持てていることが何より大きい。
家を手放したことで、誰かに振り回される生き方ではなく、
「自分を最優先にしていい生活」を選べるようになった。
今日という日は、私たちにとって間違いなく新しいスタートライン。
ここからまた、一歩ずつ進んでいける気がしている。
誰かの役に立てるように
今日までのことを振り返ってみると、不思議と少し心が軽くなった。
もし、同じように苦しい思いをしている人がいたら、私の経験が少しでもヒントになったらいいなと思う。
これからは、自分と上の子の暮らしを大切にしながら、
少しずつ、ゆっくり、自分のペースで前に進んでいくつもり。


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